Name: Mail: Home: Comment: 長野敏朗先生 侍史 Googleで検索していて、偶然先生のブログを見ました。 大変有意義なご指摘、有り難うございました。 実は、あの講演、私もスゴく心残りだったので、やはりそうか、、と妙に納得した次第です。 あの講演は、私の先輩の某先生から頼まれたのですが、『インプラントではなく、補綴の話をして欲しい。先生は大学なのでEBM/エビデンス(科学的根拠に基づいた治療)の話をして欲しい。開業医は、論文など読む暇がないので、エビデンスに基づいた補綴治療に関する最新の臨床研究や文献などを紹介したりしてもらえると良いね、、、』とかなり具体的に指示を受けていたのです。その先生には、それなりのお考えがあって、私に指示されたのだと思いますが、私としては、あのような(インプラント症例がほとんど出てこないような)講演をやったのは、ここ数年で大分だけで、(普通は、オールオン4とか抜歯即時埋入即時荷重とかアグレッシブなインプラント臨床系の講演が多いので)結構戸惑いもありました。 まあ、言い訳のようになってしまいましたが、長野先生のご期待に添えなかったということは事実ですので、深く反省しています。 貴重な時間を浪費させてしまったようで本当に申し訳ございませんでした。 ただ、臨床の成功や失敗を論じる場合、一例報告のような個別の臨床例の結果を信じるのは危険であるということもご理解頂ければと思います。ある一例の成功、ある一例の失敗が、普遍的なものか(同じことが起こる確率が高いか低いか)どうかは、数例~数十例程度ではハッキリしません。やはり、ある程度臨床研究の結果を文献検索で調べてみるのも大切な臨床医の仕事のようにも思います。大学は、そのお手伝いをするべく存在していると思っています。 もう一つ、大学は、臨床研究のセンターとして機能すべきと考えています。欧米では当たり前なのですが、これまで日本ではなかなか機能していませんでした。現在、即時荷重インプラント治療に関し、全国12施設(開業医も大学も含みます)の臨床データを13年間以上追跡中です(1000症例以上、インプラント5000本以上を追いかけています)。こういった多施設臨床研究の結果を臨床医の先生方に示すことも、大学の大切な役目だと思っています。どうか、今後とも宜しくお願い申し上げます。 今週末は、東京品川のノーベルバイオケア研修センターでオールオン4/グラフトレスのハンズオンコースをやります。もちろん失敗も含め、山のような症例/ライブビデオを持って上京します。先生の貴重なご意見を胸に刻んで、『臨床ケースの出てこない大学の講義のような内容』にならないようなコースにしたいと思っています。 ご指摘有り難うございました。 九州歯科大学 口腔インプラント科 教授 細川隆司 Pass: Secret: 管理者にだけ表示